デザインの『本質』はどこにあるのか。「HELLO,DESIGN 日本人とデザイン」

こんにちは、ほりごめ(@hiroyuki_ho)です。

 

先日の台風19号は、雨風だけでなく地震までてまるで世紀末のようでしたね。
神奈川も広範囲で被害が出ていて早く復旧することを祈っています。

 

そんな台風がきた3連休だったので、予定はすべて中止になりまして。
また積読になっていた本を読んですごしました。
今回、読んだのは『HELLO,DESIGN 日本人とデザインです。

 

 

著者は、IDEOの日本法人立ち上げに携わりデザインディレクターとして活躍されていた石川俊祐さん。

「デザイン思考」という言葉が日本に広まってもう長い気がするけど、しっかり自分の言葉でこれが正しいというものを見つけられていませんでした。....ただ、これから必要な思考法であり、成果をあげる人ほどこのマインドがあるらしいことは感じ取っていた....!!

 

本書を読んで、「デザイン思考」がどういうもので、それがうまく機能したときにどんな状態になるのか。それが石川さんの言葉を受けて理解できました。

 

 

デザイナーとは問いを設定し、その問いを解決する人である。

本書の中で、「デザイン」と「デザイナー」の定義が明確に記されています。

・デザインの本質は「課題の発見とその解決」にあります。「人が持っている課題の本質を見つけ、その上でそれを解決するための新しいモノ、体験、システムなどをつくりだすこと」がデザインのベースとなる概念なのです。

・デザイナーは「そもそもこのプロジェクトでは、誰のどのような課題を解決するか」という「問い(テーマ)」を考えるところから、実現可能なビジネスにしていくフェーズまで、プロジェクト全体に携わる人なのです。

 

これは自分が今まで描いていたデザイナーのイメージを大きく超えているものでした。(学生の頃、デザイナーになりたかったけど絵心なくて諦めた自分に教えたい...笑)
いわゆる絵描きとしてのデザイナーではなく、課題を見つけるところから、問いを立ててビジネスのフェーズまで携わるのがデザイナーであると。

課題を見つけるだけでもなく、解決を解決するだけではなく、全体を通してプロジェクトとしてマネジメントできるデザイナーがいま求められているだと感じました。

 

また課題の本質を見つけるポイントも面白かったので、引用したいと思います。

・デザイン思考とは、観察で得た主観を重視したアプローチです。(中略)「あなたがなにをどう感じたか」の、主観がすべて。
・デザイン思考の「人間中心」とは、「人」が心の底で求めているものをつくり出す姿勢を表す言葉です。

 なかなか自分の意見をストレートに外に出すには勇気がいります。一方で、主観を真実ことが大事なんだそう。まずは、目の前の事象を丁寧に観察すること。そこからこれまでの体験や記憶と照らし合わせながら、自分がどう感じたのか、どう思ったのかという主観を出すことが大事であると。

いま働いているなかで自分の感情のゆらぎを感じづらくなっている感覚がたまにあります。とくに仕事ばかりしていて遊んでいなかったり、旅行へ行かなくなっていたり。
感性が鈍ることは、デザイン思考を実践するうえで致命的になるんだと気づいて、はっとしました。

 

 

自分の「得意」が明確であること。

本書の中でさらにグッと刺さったのが、デザイン思考を実践するためのチームづくりについて。
著者の石川さんが在籍していたIDEOでは、助け合いの文化が社員のなかで浸透していたそうです。それは、なにか自分がプロジェクトで行き詰まったときに時間をつくってアドバイスをくれるというもの。
そうすることで、1人でタスクを抱える責任に潰されない、様々な視点からアプローチできるようになっているそう。そして、ここで大事なのは、個々の能力が際立っていること。

つまり、助けられてばっかりでは居心地が悪いですよね。自分はこの分野に精通している、誰にも負けない知識があるといったように「自分がプロフェッショナルである分野」が明確にあるそう。

 

そして、互いへのアクセスのしやすや、信頼関係があるからこそ助け合いの文化が醸成されているんだと思います。

これを読んだときに、コワーキングスペースでもこの文化ができると最高の状態になるんじゃないかと思いました。
ぼくがコミュニティマネージャーを務めるmass×massには特定の分野で独立した方々が利用してくれているので、ある意味で皆さんに専門分野はあります。

そのなかで、利用者さん同士が互いの強みを活かしながらそれぞれの事業を進めたり、コラボできる環境が作れたら良いなと率直に感じました。

 

これからはさらにこの視点を強く持ちながら場の運営をしていきたいと思います。

 

 

最後に 

これからは、全方位に得意分野がある人よりは、ある特定の分野に長けていて、様々な人とコラボできるスタンスのある人材がより求められてきます。
それは、この本書の電柱型の人材として紹介されていて、とても納得感がありました。

 

ぼくは学生の頃、安定した職業はなくて自分の得意なスキルが3つある状態が安定していると考えていました。そして、それぞれが互いに良いシナジーを生むことで好循環が作れるんじゃないかと。

まさにここで紹介されている鳥居型の人材はドンピシャでした。

 

一方で、いまはそれぞれのスキルを尖らせるには学ぶための時間が余力が必要だなと感じています。

 

一見、仕事術のように見えますが、仕事への根本的なマインドセットコワーキングスペースの運営に関わるヒントを得ることができました!

 

今回読んだ本はこちら
HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book)

 

 

ありがとうございました!

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